自炊でもビタミン流出は避けられない
しかし、自宅で調理する場合でも、じゃがいもを水にさらしたり、茹でたほうれん草を水にとって冷ましたりしますので、生で食べない限り、自炊でも多少の流出は避けられず、野菜カット工場と結果的に同じことではないでしょうか。
生で5分間水にさらした白菜のビタミンC残存率は80%、レタスは100%とのデータがあります。(※)
※ 『調理のためのベーシックデータ第6版』女子栄養大学出版部 p90
「水にさらすと白菜のビタミンCが2割も減った!」ととらえるか、「8割も残っているんだ!」と考えるかは人それぞれですが、自分で野菜をカットするという手間が省けるのなら、私自身は前向きにとらえる後者の立場です。
消毒液で栄養素は壊れない
また、消毒に使われる次亜塩素酸ナトリウムをごく薄く溶かした消毒液は、栄養素を壊す心配はなく、しっかりと細菌やウイルスを殺菌してくれるので、病院給食の厨房でも使われています。自宅のまな板を使ってカットするよりも、衛生的かもしれません。
野菜を洗い、皮をむき、カットして水にさらすという一連の(面倒な)工程を、工場で済ませてくれているのですから、時間がないときには便利な食材です。
わが家では時間があってもよく使います。とくに冷凍里いも、冷凍ほうれん草、カット野菜などは買い置きしています。
最近は、半調理済みのものも冷凍野菜売り場に並んでいることがあります。おすすめは「揚げなす」です。
レンジで加熱し、薄めた麺つゆに少し漬けておけば、簡単に「揚げなすの煮びたし」が完成です。
ちなみに、脂溶性ビタミン類や不溶性食物繊維は水に溶け出すことはないので、そういった栄養素に関してはしっかり摂取できますね。
ごぼうとにんじんの千切り水煮野菜を使って、さっときんぴらにしたり、筑前煮用のカット野菜にさつまあげなどを入れて麺つゆで煮たり。
水煮野菜はあらかた火が通っているので、加熱時間も短くなるため、ガスや電気を使う量も少なくて済むこともありがたいですね。