おいしいパンは、十勝にあった

杉山は「2030年、十勝がパン王国になる」というビジョンを掲げている。

「はい、十勝全体をパンのテーマパークにしようと思っています。インバウンドのお客さんや全国の方たちに来ていただけるような魅力のあるパンを作って、たくさん食べていただく。

十勝産小麦の魅力を発信していきたい。十勝産小麦で魅力ある商品をどんどん作っていきたい」

「十勝全体をパンのテーマパークにしたい」と話す雅則さん
「十勝全体をパンのテーマパークにしたい」と話す雅則さん(撮影=プレジデントオンライン編集部)

杉山が「キタノカオリという希少品種で作りました」と出してきたのが「オドゥブレ十勝」だ。キタノカオリを100%使ったもので、加水率が115%(食パンでは通常60%~70%)のパンである。オドゥブレ十勝は加水率が高いので仕込みの際にミキサーが使えない。ミキサーの攪拌部分に水を含んだパン生地がへばりついてしまうのである。そこで、オドゥブレ十勝の仕込みは職人が手作業で行わなくてはならない。

オドゥブレ十勝はそのままで食べるより、リベイクしたほうがいい。側面から切り込みを入れ1分から2分ほどトーストする。オーブントースターから出し、切り込みを入れたところにフロマージュブランを加える。贅沢な食べ方だ。

地元産のオドゥブレ十勝と地元産のフロマージュブラン。加えて、十勝の澄んだ空気。おいしいパンを食べるなら十勝に限る。

希少な小麦「キタノカオリ」を100%使用した「オドゥブレ十勝」
撮影=プレジデントオンライン編集部
希少な小麦「キタノカオリ」を100%使用した「オドゥブレ十勝」。加水率が高く、発酵時間が長いため、もちもちとした食感が特徴。
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