「慶應は就職が良い」というイメージは本当か

大学の人気を左右する要素として、卒業後の進路は大きい。続いては、早慶の主な就職先を見ていきたい。就職については、慶應のほうが良いというイメージが巷で蔓延しているが、実際のところどうなのだろうか。

ここでは5大商社、コンサル(BIG4+アクセンチュア)、電博、3メガバンクの就職者数をまとめてみた。W進学データのときと同じように、同学部どうしで並べてみることにする。

もちろん「難関企業」はこれ限りではないが、定義が難しいため優秀層に人気の4業種を指標とした。おおよその難関企業輩出率のベンチマークになるからだ。括弧内は卒業者(進路報告者)数になる。

早稲田政経(874):
総合商社21(三菱商事6、三井物産1、伊藤忠2、住友商事7、丸紅5)
コンサル33(アクセンチュア8、PwC14、EY7、KPMG1、デロイト2)
電博4(電通2、博報堂2)
メガバンク27(三菱UFJ銀行14、三井住友銀行6、みずほ7)

慶應経済(1172):
総合商社35(三菱商事8、三井物産10、伊藤忠7、住友商事8、丸紅2)
コンサル65(アクセンチュア20、PwC21、EY13、KPMG2、デロイト9)
電博15(電通6、博報堂9)
メガバンク39(三菱UFJ銀行18、三井住友銀行6、みずほ15)


早稲田法(763):
総合商社5(三菱商事1、三井物産1、伊藤忠1、住友商事0、丸紅2)
コンサル13(アクセンチュア3、PwC5、EY2、KPMG2、デロイト1)
電博2(電通1、博報堂1)
メガバンク15(三菱UFJ銀行4、三井住友銀行6、みずほ5)

慶應法(1262):
総合商社43(三菱商事9、三井物産10、伊藤忠8、住友商事7、丸紅9)
コンサル59(アクセンチュア17、PwC19、EY10、KPMG6、デロイト7)
電博11(電通6、博報堂5)
メガバンク42(三菱UFJ銀行16、三井住友銀行12、みずほ14)


早稲田商(894):
総合商社10(三菱商事6、三井物産0、伊藤忠1、住友商事2、丸紅1)
コンサル16(アクセンチュア7、PwC5、EY3、KPMG1、デロイト1)
電博1(電通1、博報堂0)
メガバンク19(三菱UFJ銀行4、三井住友銀行13、みずほ2)

慶應商(956):
総合商社9(三菱商事5、三井物産0、伊藤忠0、住友商事2、丸紅3)
コンサル20(アクセンチュア7、PwC12、EY5、KPMG1、デロイト1)
電博12(電通5、博報堂7)
メガバンク28(三菱UFJ銀行10、三井住友銀行10、みずほ8)

たしかに、主要企業への就職率を学部別で見ると、慶應に軍配が上がりそうだ。育ちがよく意識の高い「内部生」(附属校から大学に進学した学生)の就職力が高いことが要因とも言われるが、理由は他にもあるだろう。

慶應の文系学部(経済、法、商)は1、2年を神奈川県の日吉キャンパスで過ごし、3年時から東京・港区の三田キャンパスに拠点が移る。そこで慶應生たちの目の色が変わって就活への意識が高くなると言われている。周囲がビジネス街である三田キャンパスの立地柄、4年間、変わらずに高田馬場の学生街で飲んだくれている早稲田生とは意識の差が生まれるというのも頷ける気がする。