瞬間的に考えられ、それが習慣になっているか

先ほどの例に戻りましょう。

お気づきかもしれませんが、私たちが普段何気なく行っている思考プロセスは、「計算」そのものです。

スーパーに買い物へ行く。今日や明日の自分が困らないために、お米を一度にいつもの倍炊く。こういったアクションを起こすには、はじめに考えるプロセスが必要になります。

何も考えずにいたら、今買う必要のない商品を大量に買ってしまったり、お米も炊きすぎて消費しきれず捨てるしかなくなってしまう、といったことになりかねません。計算力がないと、さまざまな場面で損をしてしまうのです。

斎藤広達『頭のいい人が使っているずるい計算力』(PHP研究所)
斎藤広達『頭のいい人が使っているずるい計算力』(PHP研究所)

しかし、不要なものを手当たり次第に購入したり1人暮らしなのに理由もなく10合もお米を炊いてしまったりする人は、現実にはほとんどいないでしょう。

なぜなら、何度も述べているように、すでに多くの社会人が計算力を身につけているからです。

「仕事ができる人」になるには、もともと持っている計算力を高めていけばよいのです。

肝心なのは、「瞬間的に考えられるか?」「それが習慣になっているか?」ということです。数字や事実を目の前にした瞬間に、脳ミソをフル回転させる。これが自然にできるようになると、計算力は上がっていきます。

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