高校無償化の落とし穴…!

高校、大学も無償化されたと思っていたら、また無償化がニュースになっていてどういうことなの? という質問もありました。実は現状の“無償化”は、誰でも無償となるわけではなく、支給上限と所得制限があります。無償化だから安心と思っていたら、対象外というケースが少なくありません。

【図表1】支給額のイメージ
出所=文部科学省HP高等学校等修学支援金制度

高校無償化、私立高校無償化と言われる高等学校就学支援制度では公立高校の場合年11万8800円、私立高校の場合39万6000円を上限として支給されますが、所得制限があり、年収590万円以上になると支給上限が11万8800円となり、年収910万円以上になると支給されません。(※年収は目安であり、扶養やその他控除により異なる)

また、授業料が無償となるだけで、入学時には入学金や制服代、教科書代などで数万円から数十万円の費用がまとめてかかります。

今回話題となっている東京都の高校無償化では高等学校就学支援制度の対象外となってしまう世帯にも同額の助成を行うというものです。所得制限なく、保護者が都内に住んでいれば、都外の高校に通っていても無償化の対象となります。

【図表2】世帯年収区分別 授業料の負担軽減額
出所=私立高等学校等授業料軽減助成金事業 東京都私学財団 (shigaku-tokyo.or.jp)

今まで受けることができなかった助成を受けられるようになったことは家計にとっては大きなプラスです。ですが、授業料が無償になるなら私立に通わせても大丈夫なのね! と安易に考えるのはおすすめできません。授業料が上限額以上の場合、超えた部分は自己負担となりますし、私立の場合は授業料以外の費目で徴収される費用がかなりかかります。

実際に中高一貫校に通うわが子の明細を見ると、以下のような項目が並んでいます。

【図表3】中高一貫校の費用明細例

このうち無償となるのは授業料の部分だけで、その他の費目で結局年間50万円近く支払うことになります。