新NISAはいつでも引き出しできて非課税枠の再利用も可能
新NISAは、日本に住む18歳以上の方なら誰でも、一生涯、運用益にかかる税金をゼロにしながら投資・運用ができる制度です。運用益とは、売却益(譲渡益)、配当金、分配金を指します。
年間の非課税投資金額は「つみたて投資枠」が120万円、「成長投資枠」が240万円までです。両投資枠は併用可能なため、年間360万円の投資ができます。
ただし、1人あたり生涯投資枠1800万円が設定されています。この生涯投資枠の範囲内であれば、自由に売り買いが可能です。なお、成長投資枠のみ利用する場合は1200万円までというルールです。
つみたて投資枠の投資商品は、国が定めた条件をクリアした投資信託・ETFであり、本稿執筆時点で約280本。成長投資枠は、上場株式、ETF、REIT、投資信託と幅広い商品の中から投資をすることができます。
つみたて投資枠では、投資方法が積立投資に限定されている点も大きな特徴です。成長投資枠では、積立投資も一括投資も可能となっています。年初に240万円投資ということも可能です。
新NISAは、いつでも資産を引き出しでき、売却枠の再利用も可能です。売却した翌年に「投資元本ベース(買い付け金額ベース)」で非課税枠が復活します。例えば、買い付け金額100万円分の資産が、値上がりして200万円(評価益100万円)になったときに売却した場合、復活する非課税枠は100万円であり、翌年に非課税枠が復活します。
また、配当金や分配金を再投資する際には「非課税枠を消費する」という点は意外と盲点になっていますので、覚えておきましょう。
「配当金」や「株主優待」はどうやったらもらえる?
配当金は1株からでも受け取ることができ、保有株式数に応じて分配されます。株主優待は、1株からもらえる銘柄もありますが、単元である100株以上の保有が優待受け取りの条件となっていることがほとんどです。
株主が配当金や株主優待を受け取るには、特定の日付まで保有しておかなければなりません。これを「権利付き最終日」といい、その日に株を持ってさえいれば配当金や株主優待がもらえます。配当金が実際にもらえるのは、この権利付き最終日の2日後の「権利確定日」から約2~3カ月後となり、このタイミングで現金として引き出すことが可能になります。
権利付き最終日の翌日を「権利落ち日」といいます。この日になれば株は売ってしまっても配当金や株主優待はもらえます。
実際、権利落ち日は投資家が株を売る傾向が高いため、株価が下がりやすくなります。反対に、権利付き最終日に向けて、投資家が株を買う傾向が高くなるため、株価は上がりやすくなります。