配当性向が高すぎる企業には注意

●その3:配当性向は30〜50%が目安

企業の最終的な利益である純利益のうち、どの程度の割合で配当金が分配されたのかを示した指標が「配当性向」です。株主に出す配当金の総額を当期純利益で割って算出できます。

例えば配当性向が10%だった場合、純利益の10%が配当金として株主に配分されているということです。配当性向が低いと配当に回される資金が少なく、もらえる配当金が少なくなるわけですが、そうした企業は将来を見越して剰余金を貯めている可能性があります。

一方で、配当性向が80%を超える水準になるなど、高過ぎる場合、会社の成長にお金を回すよりも、利益の多くを配当金に回していることになり、企業の持続性や将来性に不安が残ります。配当性向は業界によって平均値に差がありますが、銘柄選びの際にはおおむね30~50%くらいを目安にしておくとよいでしょう。

●その4:売上高・営業利益が年々増加している

優良株を見つけるうえで、最初に確認するべきポイントは「売上高」と「営業利益」の両方が右肩上がりで増えているかという点です。

売上高は企業の本業となる商品やサービス提供によって得られた金額の合計であり、そこから売上原価と販売管理費を差し引いたものが営業利益です。企業活動の源泉となるこれらの業績が増えている企業であれば成長性があると判断できます。

営業利益から営業外の収支が加わって経常利益、さらに税金が引かれて当期純利益となります。基本的に、配当金はこの当期純利益から分配されるので、株主としてはこれが高いほど、配当金も多くなって好ましい状態だといえます。

配当の源泉である当期純利益の水準にも注意をしつつ、売上高と営業利益がともに、過去3〜5期分の実績と今後の1〜2期分の予想が伸び続けている高配当株であれば、高い配当を維持するだけでなく、株価成長の期待も高まります。2期分の予想をチェックするならば「会社四季報」が便利です。

●その5:1株あたり利益(EPS)が増加している

「1株あたり利益」は、企業が発行した株で集めた資金を元手に、どれほどの儲けが得られたかを1株あたりで算出したものです。一般的にEPSと呼ばれています。要するに、1株あたりいくら儲けたのか、その収益性を見る指標で、株主にとっては投資した分で利益が出せる企業かどうかを見るのに重要な指標です。

EPSは、自分の大切なお金を託すに値する企業か判断するための重要な指標といえるでしょう。具体的には当期純利益を発行済株式数で割ると算出され、数値が高いほど企業の収益性が高いといえます。

また、EPSから読み取れるのは収益性だけではありません。その推移を見ることで、企業の成長性をはかることができます。EPSが増加していれば、以前よりも効率的で収益性の高いビジネスを展開していると考えられます。

以上の条件を踏まえて、スクリーニングしていきます。

その上で、優待品、優待割引、優待特典を合わせて、投資候補を絞っていくのがおすすめです。金額換算できない優待の場合でも、優待割引には注目したいところです。