交流分析の活用で売り上げ実績が30倍に

たまに「気が利くか利かないかは生まれつき。後から変えようがない」といった声を耳にする。しかし、EAP総研コンサルタントの錦織ひとみさんも、心理学者の伊東明さんも、「ビジネスパーソンとして必要十分なレベルまではトレーニングすることができます」と断言する。

そんな事例の1つが、人の心と行動を分析して快適な人間関係を築く心理分析の一手法である交流分析を用いながら、自動車ディーラーの女性スタッフ約100人を対象に行った営業研修のケースである。当初、女性スタッフは来店した顧客の案内など補助的な役割しか与えられておらず、彼女たち全員の年間の売り上げ実績たるやわずか10台程度だった。

そこで講師を務めた日本生産性本部の平田しのぶさんは、まず人間には「親」「大人」「子ども」という3つの自我状態があることを教えた。そして、相対した顧客はどの状態が強い人かを判断し、親の自我の強そうな顧客なら、その人の意見は尊重するよう注意するなど、おのおのの特性に合わせた営業を行うよう指導した。「すると3カ月後には、売り上げ実績が300台を突破しました」と平田さんがいうから驚きだ。