今は始めるタイミングとして最悪

更に、残念なことに、今はNISAを始めるタイミングとしては最悪といえるかもしれない。安い時に買い、高い時に売るのが、投資の基本。足元のような日経平均もNYダウも最高値更新が続く現地点からのスタートは、典型的な高値づかみにもなりかねない。空前のNISAブームが続く今は、誘惑に負けず何もせずひたすら耐え忍ぶ。なかなか実行はできないが、みんなが躊躇する、相場が下落したり、危機のときこそ動き出して買うのが理想ではある。

「長期・分散・積立」が計画通りできる人はいない

「安く買い、高く売る」が言うは易し行うは難し、だからこそ、「長期・分散・積立」が大事であり、NISAでの投資は理にかなっている、となるのだが、果たしてそうなのだろうか。「長期・分散・積立」も実は、「言うは易し行うは難し」ではないかと思っている。

例えば、はじめの元本はどのように調達するのだろうか。概して20代30代の多くは、月々5万円どころか、月々1万円の拠出でも大変な人はいるのではないのだろうか。毎月の通信費や交遊費などに加え、住宅購入や教育費など近い将来の大きな目標に向けての貯蓄などを優先したいことも多くある。そもそも、長期間の積立でようやく資金が貯まった頃には人生残り10年では、ライフスタイルとも合わないのかもしれない。

夫婦の手と家のオブジェクトと80年先まで表示されたライフプランニング表示バー
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人生もマーケットも予測不能であり、就職や結婚、病気や介護、転職などによって途中で、金融資産を取り崩したり、予定通り投資できなくなることも起こるはずだ。いや、計画通り長期の積立ができる人はまずいない。

こうした予測できないライフイベントと予測不能なマーケットの上に成り立つ金融商品を組み合わせた個人の資産運用は、もともと非常に不安定なものにならざるを得ない。さらに、分散すればするほど、単品投資よりもパフォーマンスは劣るのではという疑問もある。