Z世代に支持待ちタイプが増えている背景

同様の悩みを抱えている管理職は多そうだが、そもそも、現在20代の若者、いわゆるZ世代には指示待ちタイプが多い。これは、教育によるところが大きいように見受けられる。

まず、少子化の影響もあって、親や教師が子どもを大切にし、すべてお膳立てしてくれる環境で育ってきた。このような環境では、子どもが傷つくことも転ぶことも防ぐべく、周囲の大人は危険物を極力取り除き、危ないことは一切させないように配慮する。だから、子どもが自発的に何かをやる機会はどうしても限られる。せっかく子どもが自分から「~したい」という意思表示をしても、大人に「危ないからダメ」と却下されることもあるはずだ。必然的に受け身になりやすく、自主性も育ちにくい。

また、試験では、あらかじめ正解が決まっていて、それに沿った答えを答案用紙に書くほど点数が高くなる。教師からの評価も、指示されたことをきちんと実行するほうが上がる。指示されていないのに、自分の頭で考えて余計なことをすると教師からの評価が下がることさえある。そのため、指示されたことだけをきちんとやるほうがいいと子どもの頃から経験的に学習しつつ成長していく。当然、周囲の仕事の進捗状況を見ながら、気を利かせて、必要であれば同僚を手伝うような柔軟性はなかなか身につかない。

同僚の仕事を手伝うのはタイパが悪い

それに拍車をかけているように見えるのが高い“コスパ”意識である。最近の若者は、コストパフォーマンスに敏感で、「コスパが悪いから」という理由で恋愛にも結婚にも消極的になっていると聞く。

しかも、時間対効果を意味する“タイムパフォーマンス”、略して“タイパ”なる言葉も登場した。この言葉に如実に表れているのは、自分がかけた時間に対してどれだけの見返りがあるか、どれだけ満足を得られるかを重視する姿勢だろう。

時間とお金の概念、シーソーに乗せられた砂時計とコインの山
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このように効率のいい時間の活用を何よりも重視し、時間の浪費をできるだけなくそうとする若者が、同僚の仕事を手伝わないと聞いても、あまり驚かない。むしろ、当然のように思われる。