ゴボウが「最強の食材」と言える理由

花粉症対策は数多くありますが、私は花粉症の人には毎日ゴボウを食べることをおすすめしています。ゴボウを食べれば間違いなく花粉症は治るのですが、完璧に治すためには大量に食べる必要があります。

目安としては、毎日、ゴボウ1本です。もちろん、毎日ゴボウを食べることは簡単ではありません。しかし、ゴボウを食べることで、腸内細菌の働きを改善=「腸活」(大腸の働きを活発にすること)し、花粉症によって起こる炎症を抑えることによって、花粉症はほぼ100%治ってしまうのです。

マスクを外して呼吸する人のイメージ
写真=iStock.com/recep-bg
※写真はイメージです

「花粉症が必ず治る」と書くと、多くの疑問の声や批判の声があがるかもしれませんが、花粉症は炎症の一種であり、炎症を抑えるメカニズムを知ることによって、年齢や性別を問わず治すことができるのです。

その治療法のカギを握るのが、「酪酸菌」です。酪酸菌は、だれもが大腸に「飼って」います。そして、その働きを活発にするには、「フラクトオリゴ糖」という水溶性食物繊維をエサとして与える必要があるのです。このフラクトオリゴ糖が最も多く含まれていて、最も手軽に食べることができるのが、食物繊維の王様である、ゴボウです。

もちろん、ゴボウだけではなく、たまねぎ、にんにく、ネギ、アスパラガスなどの野菜にも含まれています。新鮮なヤーコンには100グラムあたり13グラムのフラクトオリゴ糖が含まれており、ゴボウの6グラムをはるかに凌駕しています。

飲み薬、目薬では根本解決につながらない

「だったら、ヤーコンを食べればいいんじゃないか!」という声が聞こえてきそうですが、みなさんの近くの八百屋さんでヤーコンは売られていますか? キクイモ100グラムにもフラクトオリゴ糖が15グラム含まれていますが、やはりキクイモも八百屋さんでは入手が困難です。

小柳津広志『東大微生物博士が教える 花粉症は1日で治る!』(自由国民社)
小柳津広志『東大の微生物博士が教える 花粉症は1日で治る!』(自由国民社)

ですから、どこの八百屋さんやスーパー、デパートにも売っていて、日本人になじみのある野菜としてゴボウが一番手っ取り早いのです。

毎年、2月から4月の花粉症の季節になると、約4000万人の花粉症患者の方々が鼻水、くしゃみ、目のかゆみを訴え、病院やクリニックや薬局にかけこんで、注射をしてもらったり、目薬やマスクやアレルギーを抑える薬を大量に、そして長期にわたって購入しています。

その市場規模は、わかっているだけで1000億円超。しかし、そのうち9割の花粉症対策が意味をなしていません。

本書では、花粉症を炎症としてとらえ、その炎症を抑えるため、

1.食事療法
2.腸活(酪酸菌の増加)

に焦点を当て、100人の花粉症患者がいたら、すべての方の症状が寛解され、そして治す方法を教えています。極端な話、酪酸菌にフラクトオリゴ糖をエサとして与えるだけで、理論的には、たった6時間で花粉症は治ってしまうのです。

花粉症の強度によって個人差はありますが、本当に花粉症が1日で治ります。あなたが、明日から、目薬、抗ヒスタミン剤、マスクの無い、快適な鼻呼吸生活が送れることを心から願っています。

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