できなくなったことを嘆かず、変わらずできることを褒める

家族と一緒にいることが幸せな人もいますから、無理に一人暮らしを勧めるわけではありません。しかし年をとれば子どもは巣立ち、親や配偶者と死別するなどして、老人ホームなどに入居しない限りは一人暮らしになる可能性が高まります。

和田秀樹『「健康常識」という大嘘』(宝島社)
和田秀樹『「健康常識」という大嘘』(宝島社)

それでも、ことさらに一人暮らしを恐れる必要はないと知っておけば、老後の選択肢は増えます。孤独への不安感が強い人は、そうなる前に、孤独の楽しみ方を少しずつ覚えておくといいでしょう。

「いつか不便な一人暮らしを強いられるのではないか」と不安にかられているぐらいなら、先に予行演習しておく手もあります。たとえば一人旅をしてみたり、ウィークリーマンションに1週間ほど暮らしてみるといった具合です。実際に一人暮らしがどんなものかを体験しておけば、どんなことに不便を覚えるかがわかり、準備しておくことができます。「意外と一人の生活も楽しいものだ」と感じるかもしれません。まず実践してみることが、不安を解消する最良の方法です。

認知症の人の家族と話してみると、必ずといっていいほど「このあいだまではできていたのに」と、できなくなったことの話になります。しかしできなくなったことを嘆くのではなく、以前と変わらずにできていることをほめるべきなのです。

認知症がかなり進行するまである程度の話は通じて、ほめてもらえばうれしいし、うれしければまた同じことをうまくやろうとする。それを繰り返せば「料理はいつまでも上手につくる」ことも可能です。今できることをいつまでもできるままでいられるよう、認知症になり始めた当人も周囲の人たちも心がけてください。

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