ひと声ものを申す権利

政治学では、決め事と自分の関係について、次のような前提で人間のカタマリを運営することを「民主政治(デモクラシー)」と呼んでいる。

岡田憲治『教室を生きのびる政治学』(晶文社) 
岡田憲治『教室を生きのびる政治学』(晶文社) 

人は、自分の生活や人生に直接・間接に影響を与えるような決め事がなされる時には、それに対して直接・間接にひと声ものを申す権利を持っている。

裏から言えば、「人は、自分の生活や人生に影響を与えるような決め事が、自分の知らないところでなされたときには、その決め事には従わないという態度をとっていい」ということだ。アメリカの偉大なる、これまた僕の心の師匠の政治学者ロバート・ダールという人はそう言っている。

やはり決め事は、自分たちでやらないと、「人に言うことを聞かせられる」感が残ってしまう。注意しないとあたかも「自分たちは『促しただけ』で、校則の廃止については、教員・生徒・保護者が集まって相談して、みんなで決めたことですから」というタテマエだけがアリバイにされて、実際は「役所が上から通知を出す」みたいなやり方をされてしまうことだってあるのだ。

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