勉強は教えない、あれこれ聞かない
高校受験、大学受験と比べて、中学受験ならではの特色といえるのは「親子の受験」ということです。
受験勉強が本格的に始まる11~12歳は自我が芽生え始める時期です。自分の考えを持ち、それを押し通したくなる頃です。かといって将来のことを見据えて何でも自分で決められるわけではありません。学校選びや塾選びなどに親の意向が入るのは当然です。いかにしっかりした子でも、本人にすべて任せるのは現実的ではありません。
中学受験は親のサポートがなければ無理です。塾の送り迎えやお弁当作り、教材の整理など、安心して学べる環境を整えてあげることが必要です。
ただし、やりすぎるのはよくありません。
やりすぎないように気をつけたほうがいいことを、2点挙げます。
①中途半端に勉強を教えない
勉強を教えてあげる必要はありません。「こうやって考えてみたら?」「こっちの解き方のほうがいいんじゃない?」など、横でちょこちょこと言われると子どもは思考を邪魔されてしまい、やる気を失ったり反発したりすることが多いです。身内の甘えも出やすいので、自分で考えずにすぐに教えてもらおうとするクセもつきかねません。
よかれと思ったつもりが、逆効果な声かけとは
②あれこれ確認しない
親は心配なのでつい「あれはやったの?」「ここはちゃんとできた?」と確認しがちです。しかし、言いすぎると逆効果です。子どもにとっては、信用されていない感じがしますし、大きなストレスになっていることが多いものです。親子の信頼関係が失われては大変です。関係を悪くしてまで頑張ることはないですよね。
わが子を心配し、応援しているからこそ口を出したくなるのですが、そこは言いすぎないように抑えなくてはなりません。
親が受験のサポートをするうえで大事なポイントをSAPIXの先生に聞くと「共感を大事にしてください」とのことでした。
塾ではハイレベルな授業を行なっています。子どもがそれについていっているだけでもすごいことです。家で怠けているように見えたとしても、塾ではすでに頑張っているのです。まずそれを理解して共感してあげてください。
親は、どうしても、子どもの「できていない部分」に目がいきがちです。間違えた箇所、できていない宿題、こなせていないスケジュール……。それでも、全部できていないわけではありません。できている部分があるし、頑張っているのです。
頑張っている子どもの気持ちに共感できたら、声がけの仕方も変わってくるはずです。