成績のいい子は、どんな勉強をしているのか。小川晶子『SAPIX流 中学受験で伸びる子の自宅学習法』(サンマーク出版)より一部を紹介しよう――。
勉強する親と娘
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時間配分は「算数5:国語3:理科1:社会1」がベスト

中学受験に必要な教科の勉強は算数・国語・理科・社会の4教科ですが、最も時間をかけたいのは算数です。入試問題では一問あたりの配点が大きいこともあり、得点に差がつきやすいからです。また、算数の問題を考えるのには時間が必要なので、どうしても時間のかかる教科だと思っておきましょう。

教科の時間配分の目安としては、算数5:国語3:理科1:社会1くらいが理想です。

国語は、文章を読むのに時間がかかるので、ある程度まとまった時間が必要になります。

一方、理科と社会の知識については、まとまった時間、机に向かえば覚えられるというわけではないので、隙間時間を上手に使って覚えていったり、普段の生活の中で理科・社会の学習と関連づけながら知識を定着させたりすることが有効です。学習のスケジュールを組むときは、算数と国語の時間をまず配置して、その合間の短い時間に、理科・社会と、国語の漢字や語彙ごいを、5~10分でも組み込んでいくというイメージです。

もちろん理科・社会についても、問題を解く際にはある程度まとまった時間が必要です。とくに理科は、計算が必要な単元ではさらに時間を要することもあるでしょう。

先ほど示した時間の比率はあくまで一つの目安として、そのときの学習内容に応じて柔軟に調整していきましょう。

「時計算」ができない子は基本が理解できていない

SAPIXをはじめとする進学塾の多くは、4年生から受験に向けたカリキュラムをスタートさせます。5年生、6年生と学年が上がるごとに内容のレベルも上がっていきますので、ついていくのが難しくなることもあります。

「勉強が難しくなった」「急にわからなくなった」というとき、「学年が上がった」ことを理由と考える人も多いのですが、実際には、それまでに学習した単元の中に、理解が甘いところがあるのがつまずきの要因になっているのがほとんどです。

とくに算数は、これまで習得した考え方を前提として、新しいことを学んでいく教科です。「この単元が苦手だ」と思っているけれど、実はもっと前の段階の内容をわかっていないということは多いのです。

たとえば、「時計算とけいざん」。「午後3時から午後4時の間で、長針と短針が重なるのは何時何分ですか」「午後3時10分のとき、長針と短針が作る角度のうち小さいほうの角度は何度ですか」といった問題が基本のパターンとして出てきます。

時計算でつまずく要因として考えられるのは、主に次の三つです。