つい小言を言いたくなった時はどうすべきか

このように親御さんの心の状態やビリーフがお子さんに影響を与えるということはぜひ覚えておいてほしいと思いますが、今日、明日で簡単に変われるものではありません。

そこで、クライアントさんには、子どもがスマホを見たり、ゲームをやったりしているのを見て、何かマイナスな言葉を言いたくなってしまった時のワークをお伝えしています。これは怒りの感情をコントロールするアンガーマネジメントの考え方と同じで、言葉を発するのを3秒待ちます。さらに7秒待って心を落ち着けます。さらに「子どもを信じよう」「きっと○○(子どもの名前)なら大丈夫」など、決めておいたマントラを唱えて心を落ち着かせるのもおすすめです。深呼吸しながら1分30秒続けると効果が高くなります。

ベッドルームで深呼吸
写真=iStock.com/fizkes
※写真はイメージです

効果抜群の「不安を感じた時のワーク」

また、不安を感じた時のワークもあります。これはお子さんにもおすすめで、うちの子どもが大学受験の時、効果があったと言っていました。

不安を感じた時のワーク
1 体の中の不安を感じる部分を意識します(頭や胸の奥という人が多いです)。
2 その不安はどんな色、形、手触り、重さでしょうか? 具体的にイメージします。
3 イメージしたものを体の中から取り出すところを想像します。
4 取り出したものを葉っぱに乗せて、目の前を流れる川にスーッと流すところをイメージします。
5 不安も遠くへ流れていき、見えなくなります。

このワークはやってみると、気持ちが切り替わってスッキリします。

その後、Aさんはお子さんへの関わり方を変えただけでなく、自分が興味のあった資格を取り、仕事も始めて、自分自身の人生も楽しめるようになりました。

息子さんも無事に中学に合格しましたが、一時期、学校に行けない時期があったそうです。その時、「昔の私だったら絶対に行かせたいと思っていましたが、無理して通えなくてもいいと思えるようになったんです。ゆっくり見守ります」とおっしゃったのが印象的でした。

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