「受験本番に強い子」の親の特徴とは

受験期に親御さんがリラックスしているか、不安の中にいるかというのは、子どもの心理状態にも影響を与えます。それこそ子どもが勉強していなくても笑って済ませられるような親御さんは何が違うのでしょうか。

理由は色々あると思いますが、まず、わが子ならできると思えること。そして「子どもがチャレンジしたことの結果は、親がコントロールできない」と理解していることが大きいと思います。親に「失敗も経験のうち。どんな結果でもOK」だと思える心のゆとりがあると、子どもはそんな親の愛情(無条件の愛)を感じて、リスクを取る勇気を持てます。そして、どんな結果でも受け入れてもらえるという安心感から、チャレンジを楽しみ、本番でも力を発揮できるようになるのです。

大学入学共通テストに臨む受験生の文房具
写真=時事通信フォト
大学入学共通テストに臨む受験生の文房具=2024年1月13日、東京都文京区

無意識に「自分の価値観」を押しつけている

一方、不安の中にいる親御さんは、無意識に「子どもの将来をコントロールしたい、できる」と思っている可能性があります。その人自身が親に反抗せずに育ってきた場合、「子どもというのは親の期待に応えるべきだ」というビリーフ(思い込み)を作っているケースも少なくありません。自分の言うことを聞かない子どもを見ると自己否定された気持ちになり、コントロールすることで自分を満たしているというクライアントさんもいました。無意識のうちに「よい学歴が幸せにつながる」という価値観を押し付けている、子どもの成功が自分の成功になってしまっている、というケースもあります。

また、親御さん自身が失敗を乗り越えた経験がなかったり、失敗しないように回避させる親の元で育ったりしていると、いい予想がしにくいということもあります。私自身、3人(1男2女)の子どもを育ててきましたが、小学生から塾に通わせるなど、教育には一生懸命でした。でも、心理学を学んだ後は、受験期も「最終的には縁がある学校に行くだろう」とおおらかに見守れるようになり、あまり口出しをしなくなりました。自分の経験から失敗にもプラスの面があると思えるようになっていたことも大きいです。