新設高校から合格者を輩出している栃木県
【群馬】
2000年代まで前橋(マエタカ)、高崎(タカタカ)がトップ争いをすることが多い中、太田が90、92、93、95、98、99年に1位となっている。
2019年伊勢崎市立四ツ葉学園中等教育学校から3人の合格者を出した。同校は09年に市立伊勢崎高校を母体に誕生し、全国初の市立中等教育学校になる。県内では04年高崎市に県立中央中等教育学校が開校している。同校から京都大に合格者を初めて出したのは2010年で、21年には4人受かっている。2011年工学部に合格した男子(高崎)は大学の魅力をこう話す。
「入学以前にある方から『京大の良さは研究室の近さだな』と言われたことがあります。実際、講義を受けている同じ建物の中で最先端の研究が刻々となされています。そこで訪ねてみると、先生方がキラキラした目で嬉しそうに研究の話をしてくれたり、実際の調査に同行させてくれたりもします」(京都大学案内「知と自由への誘い2015」)。
優秀な高校生が他県の進学校に流出している
2010年代半ば、東京大現役合格者数で高崎0人、前橋1人という年があった。県内の高校教員は危機感を抱く。難関大学合格実績を高めるため、県内の公立進学校、前橋、前橋女子、高崎、高崎女子、太田、太田女子、中央中等教育学校が集まり、東京大と国公立大医学部進学志望者向けの群馬県「東大合格セミナー」「医学部医学科セミナー」を企画した。
地元の優秀な生徒が、開成(東京)、早稲田本庄、慶應志木、栄東(以上、埼玉)に「頭脳流出」している状況を食い止めなければならないと、高崎の校長が音頭を取ったことによる。地元紙が伝える。
「東大、京大、国公立大医学部を目指す県内の生徒を集め、切磋琢磨しながら実力向上を目指す県内全体のプロジェクトを立ち上げた。(略)予備校講師を招いた実践的な講義に加え、群馬出身の東大生、大学院生から研究内容や生活ぶりについて話を聞く機会を設け、生徒の学習意欲を高めた」(上毛新聞2023年6月24日)。