人生は三角柱の万華鏡

大学教授になった親友といつも議論するトピックがあります。人はトップになるには才能、情熱、訓練の3要素が必要であると一般的に考えられています。友人は「情熱と訓練があれば2位にはなれるが、1位になるには才能が必要だ」と主張します。私もそれは理解しますが、そう言い切ってしまうと、多くの人にとっては希望が無くなるでしょう。

そこで私は「人生は三角柱の万華鏡」だと考えています。つまり、3つの面を、それぞれ才能、情熱と練習の面として、どの角度に傾けると自分にとって最高の模様が見えるかを考えるのです。そして、どうしたら自分の才能を発見できるのかをいつも考えていろいろ試行錯誤しています。

適材適所で教師を配置、部活の負担を削減

自分の力だけでは学校変革はできません。教員の皆さんにも変化してもらう必要があります。そのためには、教員研修にも変革が必要で、良い意味での競争心を持ってもらいたいのです。他の学校も変わりつつあります。そのことに意識を向けてもらえるように、先生方には他校の改革の動きについても常々話をして競争心に火を付けようとしています。

企業でも学校でもそうですが、単純な年功序列の考え方は修正する必要があると考えています。例えば、教えることが得意な先生には授業に専念してもらい、マネジメントが得意な先生は管理面を担当する方がいいと思っています。まさに適材適所です。

また、部活のやり方にも問題があります。学校の先生が部活の顧問をやっていますが、そのために働く時間が多くなり、試合への引率、部会への参加などの負荷もかかります。部活動の指導はもっと専門性を持つ人にやってもらい、教員には授業に専念してもらえるような改革を進めるべきです。

私の学校では近くに筑波大学のスポーツ科学の専門家がいるので、筑波大と提携することを考えています。また、行政として地域にいるスポーツ専門家のリストを作り、必要に応じて派遣してもらうのもいいでしょう。

野球のティー バッティング風景
写真=iStock.com/makotomo
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進学校では授業のスピードが速すぎて、どうしても授業についていけない生徒が出てきます。本校では放課後に先生に相談する時間を設けていますが、全生徒に対応することは不可能であり、結局、生徒は外部の学習塾に頼ったりします。先生方の部活対応の負荷を減らせば、放課後にもっと多くの生徒の相談を受けることができます。