相手にわかりやすく説明するにはどうすればいいか。現役コンサルタントのしゅうマナビジネスさんは「自分の主張や結論のあとに、必ず事実やデータに裏付けされた理由を続けたほうがいい。さらに、その理由は3つあるとより説得力を増す」という――。

※本稿は、しゅうマナビジネス『3秒で伝える コンサルが使う「シンプルな言葉で相手を動かす」会話術』(扶桑社)の一部を再編集したものです。

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「事実やデータ」がない理由は、ただの感想

私たちは仕事を行ううえで、まず結論を導くための仮説を立てます。

例えば、業務が非効率になっている原因を探る案件なら、まずは「部長の社内決裁が滞っているからではないか?」といった仮説を立ててみます。

ここで重要なのは、仮説を立てた段階では、まだ非効率であることを示す根拠は何もいということです。

つまり、「作業が非効率なのは、部長の決裁の遅れが原因」というのは、説得力を持つ論理構成にはなっておらず、「ただの感想」にすぎません。

そこで次に、仮説が本当に正しいのか、事実やデータを見つけて検証します。

いわゆる「仮説検証」というものです。

「部長の決裁が滞っているから作業が非効率なのではないか?」という仮説が正しいかどうかを確かめるには、実際の作業にかかるリードタイムの調査や、部長や担当者にインタビューを行って、実態を明らかにしていきます。

その結果、例えば部長が決裁できる件数が一日に10〜20件なのに対し、決裁依頼が毎日20件以上あるといった事実が判明すれば、仮説は正しかったと言えます。

一方、調査の結果、部長は決裁作業にほとんど時間を費やしていないことがわかれば、仮説は正しくなかったとして、また次の仮説を考えることになります。