ネットツールは、定年後のコミュニケーションに不可欠

――現役時代と現在で、三井さんの1週間のスケジュールはどう変化しましたか?

【三井】現役の頃は完全に週休2日でした。稀に休日出勤となったら「ええ⁈」とか思って、「絶対に代休を取ってやるぞ」と思ったりしていました(笑)。しかし、今は「丸1日休み」という日がなくなりました。ただ、朝はゆっくりできて、空き時間もあるので、その合間に趣味のランニングをするようなことはあります。

その代わりに「夜にZoomでプロティアンの会議がある」「BNIの定例会がある」みたいことがあるので、日々何かしらの用事が入っています。忙しく暮らしていますが、今の生活で一番良いなと思うのは「朝9時に会社に行かなくていい」ということです。会社というのはたいした用事もない日でも、朝礼がある9時には絶対に出勤しなければいけません。これがなくなったのは嬉しいですね。

もう一つ、良いなと思っているのがZoomです。リアルで移動時間を含めて考えると絶対に無理なこともありますが、Zoomなら時間の節約ができるわけです。

――三井さんはSNSにも積極的に取り組んでおられているようですが、こういったオンラインに抵抗はありませんでしたか?

【三井】ありませんでした。確かに苦手な方もいるかもしれませんが、周りとつながる意味でも必要不可欠だと思います。定年はゴールではなく新しい生活の始まりですし、SNSやZoomといったものは積極的に取り組んだほうが良いと思います。

サラリーマンは井の中の蛙…定年後に向け調査&行動

――現役時代と現在とを比べてみて、どちらが楽しく過ごせていますか?

【三井】会社にいた頃が楽しくなかったわけではありません。「転職する」とか「会社を辞める」なんていうことを考えませんでしたから。会社自体もずっと成長していたし、自分のポジションも上がっていき、給料もそれによって増えていきました。それはそれで本当にありがたく、幸せなことでした。原則的に、保険会社の社員は大半が大卒です。

しかし、仮にBNIとかに参加してみると、もう学歴とか全然関係ないわけです。そういう人たちが頑張っていたり、自分で道を切り開いて仕事につなげている姿を見て「サラリーマンは井の中の蛙なんだな」と実感しました。

水の中から顔を出すカエル
写真=iStock.com/shaunl
※写真はイメージです

これまでにお話をした通り、定年後いきなり仕事を作るのは簡単なことではないです。でも、自分次第で様々なチャンスを引き寄せることはできるかもしれません。定年後の生活で悩まれている方、不安に思う方はじっくり考え、様々なリサーチをして、行動という意味でセミナーやコミュニティに積極的に参加してみると良いと思います。何か答えにつながること、仕事につながることがあるかもしれませんよ。