昨年、うま味調味料の「味の素」をめぐって、批判派と肯定派の議論が過熱する場面があった。
2023年12月、人気の料理研究家・リュウジ氏がX(旧Twitter)で味の素について「体に悪いとか言ってる人全員もれなく反ワクチンなのなんでだろう」と投稿した。
「この投稿はプロが味の素を使うべきかという議論だけでなく、『反ワクチン』という言葉が批判を集めた側面もありました。23年7月には堀江貴文さんがタイのバンコクでおいしかった飲食店をSNSで紹介したのですが、読者が『お店の料理は味の素たっぷり入ってるのでお気をつけください』と投稿。それに対して、堀江さんは『味の素入ってたらなんかまずいんですか?』と問い詰めたことも話題となりました。ここでも賛否のコメントが入り乱れましたが、全体としては堀江さんを擁護する意見が多かったように思います」(ネットメディアのライター)
Xを見ると、味の素を使うと料理がおいしくなると評価する声は多い。だが一方で、味について「画一的」などと批判する声もある。
「『うま味調味料を使った料理はおいしくない』という見解が広く流布した理由として、国民的グルメ漫画となった『美味しんぼ』の影響が挙げられます。何しろコミック版は既刊が111巻、累計発行部数は1億3500万部を突破という驚異的な人気を誇ります。そして『美味しんぼ』の中では何度も、うま味調味料に対する批判が描かれてきました」(同)