初期費用の大幅な値引きは欠陥住宅のリスクも

②値引きの良し悪し

値段交渉で200万円、300万円も値引きされるケースがあると聞きます。では値段交渉をしなかった人はどうなるでしょう。不平等が生まれますよね。会社の姿勢を疑いたくなります。

また初期費用はあらゆる要素を計算して算出されるもので、それが適正なら大きな値引きはできないはずです。どこかの部分で条件を変えられているのかもしれません。欠陥などの後悔をしないためにも、値引きの根拠を確認してください。

一方で、自身の家を見学先として協力することに対する値引きや、規格住宅の場合に設計を検討する時間を短縮した分の値引きなど、根拠のある値引きもあります。良心的な値引きといえるでしょう。

③契約の決断を急かされる

今すぐ契約しないと、ほかのお客さまに先を越されてしまうというような営業があります。実際に人気物件であれば嘘ではないでしょう。ただ、どんな物件でも契約を急せかされるような場合は注意が必要です。

本来であればお客さまの希望をヒアリングし、それをかなえられる住宅を提案するのが営業です。その部分をすっ飛ばされることは、“売れた”という結果だけを目的にしているとしか思えません。ただし、本当に人気の土地や住宅はあるので、冷静に見極めてください。

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断熱性を強調するのは謳い文句に過ぎない

④断熱性だけを強調する

高性能住宅のひとつの特徴に断熱性があります。性能が優れていることは喜ばしいことですが、それだけを強調する場合はうたい文句にすぎません。断熱性は気密性(隙間相当面積)や換気方式、日射の兼ね合いなどさまざまな要因がセットになって高められ、快適な室温を実現できます。

すべてを事細かく説明し、なおかつデータや資料を提示してくれる場合は信憑性しんぴょうせいが高いといえるでしょう。

また、寒い時期や暑い時期にモデルハウスに見学にいき、エアコンの稼働状況を確認するのもひとつの方法です。

※隙間相当面積:建物が持っている隙間すべての面積を延床面積で割った数値で、C値という単位で気密性を示す指標となる。

⑤初期費用が低いことだけを強調する

トータルコストで考える重要性はお伝え済みです。メンテナンスや光熱費などのランニングコストを理解しておけば、初期費用だけで判断することのリスクはわかるはず。よって初期費用だけを強調する営業には疑いの目を持ちたいものです。

⑥不確かな情報を提供する

例えば住宅の周辺環境について「治安がいいですよ」「近隣はいい人ばかりですよ」と教えてくれることがあります。では、その担当者は周辺環境をどこまで調べているのでしょうか。

もちろん確かな情報を持っていることもあるでしょう。ただあらゆる仕事には専門性があり、住宅営業の管轄ではない情報があることも確か。周辺環境については不動産会社のほうが詳しいです。