弟がいる長女のほうが年収が34万円も低い

続く図表2は、妹がいる長女と弟がいる長女の年収を比較しています。

この図表から明らかなとおり、弟がいる長女ほど年収が低くなっています。

【図表】第2子の性別による長女の年収の違い
出典=『残酷すぎる幸せとお金の経済学』(プレジデント社)

その差は34万円であり、比率で示すと弟がいる長女の年収が約16%低くなっていました。ちなみに、デンマークでは弟がいる長女の年収が約2%低く、アメリカでは約7%低くなっていたため、日本における弟がいる長女の年収へのマイナスの影響はやや大きめだと言えます。

図表3は、妹がいる長女と弟がいる長女の正社員の割合と専業主婦の割合を比較しています。

【図表】第2子の性別による長女の就業形態の違い
出典=『残酷すぎる幸せとお金の経済学』(プレジデント社)

この図から、弟がいる長女ほど正社員の割合が低く、その代わりに専業主婦の割合が高くなっていることがわかります。弟がいる長女ほど労働時間の長い正社員よりも、家庭にいる時間の長い専業主婦を選択しやすいと言えるでしょう。なお、非正社員の割合や自営業の割合は、妹がいる長女と弟がいる長女で差が確認できませんでした。

弟がいる長女のほうが家事・育児時間が長い

図表4は妹がいる長女と弟がいる長女の既婚割合と子どもを持つ割合を比較しています。この図から、差はわずかでありますが、弟がいる長女ほど既婚割合と子どもを持つ割合が高いことがわかります。

【図表】第2子の性別による家族形成の違い
出典=『残酷すぎる幸せとお金の経済学』(プレジデント社)

また、図表5は妹がいる長女と弟がいる長女で家事・育児時間を比較していますが、弟がいる長女ほど家事・育児時間が長くなる傾向がありました。

【図表】第2子の性別による1日当たりの家事・育児時間の違い
出典=『残酷すぎる幸せとお金の経済学』(プレジデント社)