五輪の夢を“後輩”がかなえてくれた

酒井政人『箱根駅伝は誰のものか 「国民的行事」の現在地』(平凡社新書)
酒井政人『箱根駅伝は誰のものか 「国民的行事」の現在地』(平凡社新書)

家業の牧場を拡充させて、社会的に“大成功”を収めている服部さん。自身が学生時代に届かなかった“夢”を大学の後輩がかなえることになる。今年10月に行われたマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)で小山直城(Honda)が優勝。2024年夏のパリ五輪男子マラソン代表に内定したのだ。

「自分は大学を卒業して1年でオリンピックの選考会があったんだけど、彼は5年経っているんだよ。それで農大OBというのは、農大がおこがましいよね(笑)。でもトップ当選だから凄いし、立派。自分ができなかったことを軽々とやった。本番まで時間があるから、いまの調子を維持してくれればいいな」

50年前の箱根駅伝のレジェンドは後輩たちの活躍を冷静かつ、温かく見守っている。厳しいことを言っても、母校が出場する第100回大会は楽しみで仕方ないはずだ。

服部誠さん
筆者撮影
【関連記事】
【関連記事】箱根駅伝ランナーの笑えない"その後"…有名大、大企業就職までほぼ無試験の楽勝人生が実業団引退後に暗転
プーマは「厚底シューズ勢力図」を塗り替えられるか…世界3位のメーカーに履き替える日本人選手が続出のワケ
新NISAが始まっても投資に手を出してはいけない…経済学者が「老後に備えるならコレ」と唯一勧める金融商品【2023上半期BEST5】
「お金が貯まらない人の玄関先でよく見かける」1億円貯まる人は絶対に置かない"あるもの"
NHK大河ではとても放送できない…宣教師に「獣より劣ったもの」と書かれた豊臣秀吉のおぞましき性欲