「活動」という形になると苦しくなりやすい
とはいえ、これだけ婚活がブームになっているのだから、人は根底的に誰かとの深いつながりを求めているようにも感じる。
私の言葉に、「そうですね」と石田教授もうなずく。
「ただ友達作りもそうなのですが、〝活動〟という形になると苦しくなりやすいと思います。友達でいるために一生懸命頑張って、結果としてくたびれて、やっぱり友達はいらないとなってしまう」
友達や恋人を作ることを目的とするのではなく、趣味やボランティアの活動という場を通じて、お互いの性格を見ながら関係を深めていく。それがいちばん自然な形だろう。一方で自然な形でない婚活サービスも前向きに取り組めるなら悪くない。ただし自分を責めるようになるならいったん距離を置いたほうがいいかもしれない。
インタビュー終盤では、好きな人のささいな行動や言葉で突然気持ちが冷める「蛙化現象」についても話題になった。
「人との関係を瞬間瞬間でジャッジしていく。ゲーム感覚での関係づくりで、マッチング的な出会いに起こりやすいという印象があります」
好きだった人に4か月ぶりに再会することになった
最近では友達との関係性でも「気遣いの中で付き合っていく」と前述したが、そういった相手に合わせる関係性の中では、我慢の限界地点を超えた時に、突然相手にLINEなどで長文の文句を送り、「もう二度と付き合いません」と宣告してしまうようなケースも。
けれども本来、友達も恋人も、相手の嫌な部分を含めて「付き合う」ものではないだろうか。一生を共にするなら尚更だ。
私は初めてのお見合いの後、婚活をスタートする前に好きだった人に4か月ぶりに再会することになった。その人には一度フラれているので、これが婚活であるなら、もう一度会うことは時間の無駄かもしれない。その人にいちずになるほど自分は年を取っていき、婚活市場での価値が下がって結婚(再婚)への道が遠くなることはわかっている。
それでも会いたいし話したい、できるだけ近くにいたいのが、やっぱり好きな人なのだ。だから一緒に過ごせる今の時間を大切にしたいと思う。また、自分の喜怒哀楽の全てをさらけ出して長年築いてきた好きな人との関係性は、私にとって他に代え難い大切なもののように改めて感じた。(続く。第8回は12月28日11時に公開予定)