いつもと違うやり方を選んでみる
ジョーダンは「慣れ親しんだもの」にまたしてもつかまったことに気がついた。そして、私と雑談したあと、自分を責める気持ちをさっと抑えた。彼には二つの選択肢があった。
一つ目は、今のエージェントと離れて、二人目の候補者に電話して、相手の優しさに対する不安に対処すること。もう一つは、今のエージェントとの契約を続け、相手との関係を改善する努力をし、何も変わらなければ離れる、というものだ。
ジョーダンは、二つ目の選択肢を選んだ。そして、エージェントとの関係に望むことをリストにした――毎週電話かメールを交わす、原稿にフィードバックをもらう(その際、修正が必要な点だけでなく、よく書けている箇所にも目を向けてもらう)、お互いの人柄をよく知るために、時々コーヒーミーティングをする。その後、リストをエージェントに渡すと、「お望みのサポートをわかりやすく教えてもらえてありがたい」と感謝された。
多くの人は信じている。「パターンを理解したら、二度と繰り返してはいけない。繰り返すとしたら、自分はしくじっている」と。そしてそれを、セルフ・サボタージュをやめられない証拠だと考える。でも、それは違う。
パターンを手放すのは難しく、おなじみのやり方に戻ってしまうのはごく当たり前のことなのだ。だから、慣れ親しんだ行動に逆戻りした自分に気づいたら、ジョーダンのように、いつもと違うやり方を選べばいい。それはサボタージュとは正反対の行動なので、より健全な新しいパターンが生まれるはずだ。
脱出のヒント
・パターンを完全に捨てられなくても、あなたがしくじっているからではない。あなたが人間だからだ。
・いつものパターンに逆戻りしたことに気づいても、「また抜け出せなくなった」と即座に思い込んではいけない。それに対処する、いくつもの選択肢があることを思い出そう。そこから離れるのか、状況を改善するためにできることがあるのかを判断すればいいのだ。たとえば、慣れ親しんだ状況の中でも、自分に必要なものやほしいものを相手に伝えることはできる。