元気の素・男性ホルモンの原料にもなる

肉にはコレステロールも多く含まれるために、避けているという方もいます。

たしかに、コレステロールは、動脈硬化を促進し、心筋梗塞のリスクになるといわれています。基準値から高いと、すぐにコレステロールを下げる薬が出されます。

しかし、心疾患が死因トップのアメリカならいざしらず、日本では心筋梗塞よりも4倍以上がんの死亡率が高く、心疾患で亡くなる人は先進国の中でももっとも低い状態にあります。

基準値を厳密に守る必要はないと考えます。

実際に、コレステロール値が高い人のほうが長生きをするという研究もあります。

なぜなのでしょうか。

コレステロールは、男性ホルモンの原料になります。男性ホルモンの中でも、特に「テストステロン」という物質が「意欲」と関係しています。

男性ホルモンというと「性欲」というイメージがありますが、性機能だけでなく他者への関心や集中力をもたらしてくれます。男性ホルモンは元気の素なのです。

女性は老いると女性ホルモンが減っていきますが、逆に男性ホルモンが増えていたという研究もあります。

あるNPOのリーダーである年配の女性が、「昔はおとなしいほうだったのに、年をとると人前に立って話すことも平気になった。『おばさん力』がついたのかしら」と話していましたが、「おばさん力」のせいだけではなく、男性ホルモンのおかげかもしれません。

とりあえず、もう少し肉を食べて元気をとり戻してみませんか。

刻んだわさびのロースステーキ
写真=iStock.com/kuppa_rock
※写真はイメージです

陽を浴びる習慣でセロトニンをつくろう

――太陽エネルギーはバカにできない

太陽の光を浴びると、「幸せ物質」のセロトニンがつくられます。

よく天気が悪いとうつうつとした気分となり、晴天だと晴れやかな気分になりますね。セロトニンが関係していると考えると、人間というのは単純な生き物だと思います。

どんなにテクノロジーが発達しても、太陽光線を浴びてエネルギーとなるのは人間も植物も同じです。人間も地球の上に暮らす生命体のひとつなのです。

陽に焼けるほど日光浴をしなくても、大丈夫です。天気がいいときは家のまわりを散歩する、ベランダでコーヒーを飲むなど、陽を浴びる習慣をつくってください。

いちばんいいのはウォーキングでしょう。筋肉の維持にもつながります。

ある研究では、男性ホルモンが筋肉の中でも生成されているという報告があります。筋力を保つというのは単に自立して歩くためだけでなく、精神のバランスを保つためにも必要なのかもしれません。

意気消沈して外に出る気分ではない方も、あのパン屋へ行って好きなパンを買って帰ろう等の目的を持って外に出てみましょう。

骨を強くするためにも太陽の光を浴びなさい、とよくいわれます。