免許返納の前に「薬の見直し」をすべき

近年、高齢ドライバーの事故のニュースが頻繁に報道されます。

ニュース番組を騒がせるのは高齢者が運転する車の暴走による事故ですが、思えば不自然な話です。街中で目にする「もみじマーク」の車は、たいてい暴走どころか「トロトロ運転」です。高齢者は、通常、スピードを出しすぎないようにするものです。

和田秀樹『60歳からは、「これ」しかやらない』(PHP研究所)
和田秀樹『60歳からは、「これ」しかやらない』(PHP研究所)

しかし、実際に暴走事故は起こりました。それはなぜでしょうか?

私は、意識障害によって頭が朦朧もうろうとして起こった可能性があると考えています。そして、その背景には、薬の影響があるのではないかと思います。

事故を起こした人たちにどのような持病があり、どんな薬を飲んでいたかはわかりませんが、原因が薬だとしたら、彼らに対する非難一色の風潮は、あまりに一面的ではないかと思わざるを得ません。

免許返納を考えているなら、その前にまずすべきは、薬の見直しでしょう。

常用薬があって、だるさやふらつきのある方は、医者に薬を減らすことを相談してみるといいと思います。

運転中はもちろん、それ以外の時間にも起こり得る意識障害を防ぐためにも、薬との向き合い方を、今一度じっくり見直していただきたいと思います。

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