※本稿は、森由香子『ダイエットしたい人のやせるキッチン』(青春出版社)の一部を再編集したものです。
お皿を小さくするだけで、食事の満足度がアップする
誤解されがちなのですが、やせる秘訣、太らない秘訣は、“我慢”ではありません。むしろ食事の量を抑えつつ、いかに“満足”できるかにかかっています。食べる量が少ないと感じてしまうと、満足感が得られず、後々まで空腹感を引きずってしまいます。すると、つい間食に走ってしまったり、次の食事で食べすぎたりしてしまいます。
そこで、多少おかずが少なめであっても、「けっこう量はあったな」と思える、とても簡単な方法をお教えしましょう。
盛りつけの際、なるべく小さめのお皿を使うのです。たとえば、直径30センチのお皿と20センチのお皿にまったく同じ量の料理をのせた場合、20センチの皿に盛った料理のほうが、量は多く見えます。実際、大きいお皿の真ん中にちょこっと料理があるより、小さいお皿にはみ出しそうになっているほうが、同じ量でもたくさん盛ってある感じがするでしょう。
これは「デルブフ錯視」という目の錯覚によるものです。同じ大きさの赤い円のまわりに、大きな同心円を描いたときと、小さな同心円を描いたときでは、小さな同心円を描いたときのほうが、中の赤い円が大きく見えるのです。
このデルブフ錯視を利用した食事の摂取量の実験では、お皿を30センチから25センチに替えただけで、カロリー摂取量が平均で20%以上低下したと報告されています(出典=意識せずにヘルシーな食生活を送る10のマインドハック術|ライフハッカー・ジャパン:lifehacker.jp)。
これが毎日続けば、カロリー摂取量は大きく変わってきます。体重も少しずつ減っていくはずです。
お皿の色を濃いものに変える
もうひとつ、お皿を工夫することで、食べる量が無理なく減らせるコツをご紹介しましょう。
料理を盛りつけるとき、お皿の色を料理と対照的な色にするのです。たったこれだけのことで、盛りつける量が自然と少なめになるという研究結果があります(出典=太った気分ですか? これらの2つの簡単な方法を使用して体重を減らす:jamesclear.com)。
たとえば、白いカルボナーラソースのパスタを白いお皿に盛りつけるときと、赤いお皿に盛りつけるときでは、赤いお皿に盛りつけるときのほうが、量が少なめになるというのです。
料理とお皿の色が対照的だと、食器と料理の色の違いがはっきりするので、皿に盛っている量をはっきりと把握できます。ところが、料理とお皿が同じような色だと、ぼんやりとして量がいまひとつつかめません。そのため、無意識のうちに盛りつける量が増えてしまうのだろうと考えられているのです。
同様に、赤いトマトソースのパスタであれば、赤いお皿よりも白いお皿に盛ったほうが量が少なくなる傾向にあります。
肉料理と野菜の付け合わせ、ライスを一緒に盛りつけるワンプレート料理の場合は、白いお皿ではなく、赤や青など、濃い色のお皿にしましょう。ライスの量を減らしやすくなります。
加えて、小さめのお皿を使えば、デルブフ錯視の効果で料理の量が多く見えて、たくさん食べたような満足感も得られるでしょう。