アイデアワーキングで少数の質の高い会話を交わす

アイデアワーキングのコツは、会話の締めくくり方にある。「大変助かりました。あまりお時間を取らせるのは申し訳ないので、私の課題について、ほかに話を聞かせて下さる方を紹介してもらえませんか?」と頼んでみよう。

10人紹介してもらえるかもしれないし、ゼロかもしれない。3人をめざそう。そしてそれらの人たちに連絡を取ろう。戦術について尋ね、同じ方法で会話を終え、さらに3人紹介してもらおう。3人が9人になり、9人が27人になる。そして戦術のリストもどんどん長くなっていく。

組織の人のつながりをイメージしたアイコン
写真=iStock.com/Vadim Sazhniev
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ネットワーキングとアイデアワーキングの違いを理解できただろうか? ネットワーキングが、多数の質の低い会話を伴うのに対し、アイデアワーキングでは、少数の質の高い会話を交わす。1000人以上のネットワークを持っていると豪語する人もいるが、アイデアワーキングではどんなサブ課題についても27人を超える専門家に話を聞くことはほぼない。それ以上増えると、専門家が挙げる戦術が重複し始めるからだ。新しい戦術が得られなくなった時点が、アイデアワーキングのやめ時だ。

ほとんどが「一度きり」だからこそいい

また、専門家と連絡を取り合う期間の違いにも注目してほしい。ネットワーキングでは、その期間は「無期限」だ。将来連絡を取る必要が生じるかもしれないから、できるだけ多くの相手をいつまでもリストにとどめておきたい。だがアイデアワーキングでは、専門家と話すのは一度きりだ。

もちろん例外はあって、専門家がとくに親身になってくれたり、あなたの課題に興味を持ってくれたりする場合は、あとで思いついたアイデアについて意見を求めてもかまわない。

たとえばサブ課題が5つある場合、それぞれのサブ課題のアイデアワーキングを並行して始めよう。サブ課題は互いに絡み合っているから、尋ねる内容が重複することもあるだろう。

それはまったく問題ない。専門家が時間の余裕があり、関連する知識を持っている場合は、同じ専門家に別のサブ課題に関する質問をしてもいいだろう。