筋膜の状態が悪いと体も動かしづらくなる

その筋膜は筋肉と筋肉を束ねながら、一つ一つを隔てています。

これはオレンジの断面をイメージするとわかりやすいです。オレンジの断面には白い薄皮が外側で全ての身を包み、さらに一つ一つの実を分けています。一つの筋肉が硬くなると周辺の筋肉に影響があるのはこの筋膜によるものが大きいです。

筋膜にはもう一つ大切な役割があります。それは身体のセンサーとしての機能です。筋膜は身体がどの位置にあるのか、そして身体がどのような圧、振動、伸長などを受けているのかを常に感じ取りその情報を脳に送っています。この筋膜の状態が悪くなるとそのセンサーの働きが悪くなり、身体を思ったように動かしづらくなります。

身体は筋膜によってつながっていることは間違いありませんが、どのようにつながっているのかは専門家によって若干意見が異なります。

それは「筋膜」という組織の重要性が最近まで知られておらず、解剖の時にゴミとして捨てられていたからです。さらに亡くなった方の身体の中の筋膜は状態が変化してしまい研究自体がとても難しいことも一因としてあると思われます。

今回はその数ある筋膜の一つのモデルを取り上げて説明していきます。

ゴルフで「手打ち」になる人は体幹が足りない

それでは3つのメリットをご紹介していきしょう。

①「筋肉のつながり」を知ると運動のパフォーマンスが上がる

よくゴルフなどの指導で「手打ちにならないように、腰から動かして」などというアドバイスを聞きます。これは「筋肉のつながりを意識して」と言い換えることができます。

身体の中には「腕のつながり」や「らせんのつながり」というものがあります。「腕のつながり」は胸や背中から指先にかけての筋肉を連結させているつながりです。

「らせんのつながり」とは体幹に巻き付くように筋肉同士を連結させているつながりです。手打ちを回避するには主にこの2つの「筋肉のつながり」が協調して動くことが重要になります。

体幹の筋肉は腕よりも大きな力を出すことができます。ですが腕の力だけに頼ってしまうと、思いっきりスイングしたとしても意外と飛距離は伸びません。上手な人を見ているとやはり体幹の力を効率よく腕に伝えるように軽やかにスイングしています。

これは身体に巻き付くように存在している「らせんのつながり」の力を巧みに「腕のつながり」に伝達できているからです。