学校では部活で学べることが多い

【パックン】ほとんど同等の知識を持った人が集まったときに、どうやってその中で抜きんでるか。そのためには発想力やコミュニケーション力が必要。それが優れている子どもをどう育てるか。それがポイントだと思うけど。私が子どもに勧めているのは、いろいろな部活動に参加することや多くの人に会うこと。それによって芸術やスポーツに触れて、知識だけでなく感性も鍛える。加えてチームワーク、リーダーシップ、妥協とわがままを身に付ける。それらはすべて部活の中でできます。教室の中ではあまり身に付かないでしょ。

「学校の教室では学べないものも多い」とパックンさん。それらは部活で学べる。
撮影=市来朋久
「学校の教室では学べないものも多い」とパックンさん。それらは部活で学べる。

【エミン】そうね。

【パックン】日本では先生が黒板に書いたものをメモって、試験で吐き出す。その過程には、チームワークもリーダーシップも何もない。コミュニケーション能力もほとんど関係ない。であれば、部活で経験を豊富にすることだと思う。

もう1つは、子どもに教え込むのではなく、引き出すことが大事だと思う。私が子どもと触れ会うときも「これは何だと思う?」「なぜだと思う?」という質問をたくさんぶつけて、考える機会を増やしています。

インドに留学させれば世界が変わる

【エミン】あとは海外に留学させたほうがいいね。

【パックン】お薦めの留学先は?

【エミン】たとえば東南アジアやインドに行くといいんじゃないかな。まったく違う世界だからショックを受けると思う。

【パックン】私はコロナの直前にインドを旅行したけど、すごかった。車線が分かれている道路であっても、車線がないかのように車が走っているし。

【エミン】そうだよね。

【パックン】リヤカーが走っているし、牛もいる。自転車もバイクも車も走っている。そして大勢が歩いている。その状況で活動できる人、活躍できる人はやはり強いと思ったね。

【エミン】そう。私に子どもがいたら、絶対インドに1年か、2年留学させると思う。あのカオスの中で生きるすべを覚えてほしい。インド人には優秀なソフトウエアエンジニアが多いけど、頭が柔軟で問題解決能力が高いからだろうね。

【パックン】日常生活の中で鍛えられますよね。