自分が苦しい思いをしないよう、医者とは上手に付き合う

よほど命に関わる病気を持っている人とか、普通とは違う病気の人だけは、「先生、この薬を急にやめたらまずいですか」という確認が必要かもしれないけれど、そうでない場合は、調子が悪くなったら、「あの薬を飲んでいると調子悪いから、飲むのをやめちゃいました。いまはわりと調子がいいので、もう飲まなくてもいいですよね」というような言い方をすれば、「そうだね」って話になるか、あるいは「じゃあ代わりにこっちの薬を出しておこう」ということになって、少なくともその薬を飲ませ続けられることはあまりない。

ところが、我慢してやめないでいると、「先生、もうこの薬はやめたいんです」と言ったところで、「いや、でもちゃんと血圧が正常になっているからやめないほうがいいよ」とか言われて、むりやり飲まされる可能性が高い。

自己判断でやめたほうが話は早いですから、そういう意味も含め、私は薬をやめるときにいちいち医者に相談する必要はないと思います。くれぐれも自分が苦しい思いをしないように、医者とは上手に付き合うことをお勧めします。

医者の話を聞く患者
写真=iStock.com/davidf
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病人しか診ていない医者に健康相談をしてもムダです

たまたまある雑誌の取材を受けていた時に、お医者さんの言うことは何でも信じてしまうみたいな話になって、「やっぱり専門家の言うことだから、健康法についても素人の意見より信用できる」と言う人もいました。

たとえば医者に「これは体にいいよ」とか「健康のためにはこれを食べたほうがいい、あれを飲んだほうがいい」とか言われると、そうなのかっていう気になると言うので、医者ってそんなに信用されているのかと、ちょっと驚きました。

実のところ、医者の多くは健康法について信用に足る専門知識は持ち合わせていません。

たとえば、「免疫力がアップするから納豆を食べなさい」とか「もうちょっと肉を減らして魚中心の食事に変えたほうがいいですよ」とか、栄養について医者がいろいろ言ったとしても、実は医学部では栄養学はいっさい教えてもらっていないのです。

もしかしたら教えてくれる学校が一つか二つあるのかもしれませんが、少なくとも普通の医学部には栄養学の科目はありません。だから、あるお医者さんが栄養について詳しい知識を持っていたとすれば、それは自分で本を読んで勉強しただけであって、専門家ということではない。

たとえば“ナントカ健康法”とか“体にいいナントカ”みたいな本を何冊か読んだ人と大差はないわけで、つまりは健康オタクの素人と似たり寄ったりか、それ以下です。

確かに医者は海外の論文とかを読んだりすることもありますが、いまのインターネットの世の中では、ちょっと詳しい人なら、医者じゃなくても海外の論文くらい読めますから、そんなに大したことではない。

自動翻訳のソフトもあるから英文でもいくらでも読める。とてもじゃないが、医者が栄養学の専門家であるとは言えません。