立憲民主党が解散制限法案を提出へ
負け犬根性が染みついたのか。立憲民主党が、首相による衆院解散を制限する法案を今臨時国会にも提出する方針だ、と報じられている。解散日と理由を衆院に事前に通知するよう内閣に求め、衆院の4分の1以上の要求がある場合は解散に関する国会審議を義務付けることを柱とする。手続きを厳格にし、解散権の乱用を防ぐ狙いがあるとしている。どこか浮世離れした話である。
党の解散制限検討チーム座長の谷田川元衆院議員は9月26日の会合後、記者団に「過去3回の解散があまりに恣意的、党利党略であったというのが我々の認識だ」と述べた。
検討チームは6月下旬、岸田文雄首相が通常国会会期末に自ら解散風を吹かせながら、最終的に見送ったことを受け、「解散の根拠は、憲法7条と69条にあるが、7条の規定はあまりにも曖昧なため、内閣の恣意的な解散権行使を制約する法制度を検討する」として設置され、その後、党内議論や専門家からの意見聴取を重ねてきているという。
憲法7条は決して曖昧な規定ではない
だが、議論の方向がどこかでずれてきたのだろう。解散権が内閣にあるのは、憲法から明確である。決して「曖昧な」ことはない。
憲法7条は、衆院解散について、内閣の助言と承認によって天皇が行う国事行為の一つと規定している。憲法69条は、衆院で内閣不信任決議案が可決されるか、信任決議案が否決された場合、内閣は「10日以内に衆院が解散されない限り、総辞職をしなければならない」と定めている。
7条解散が合憲というのは、1960年の最高裁判決で解散権の行使に司法判断が及ばないとして決着し、その後、政治的にも首相の判断による解散が積み上がっている。このため、野党側は近年、「党利党略」「大義がない」などと批判することで、解散権行使を制限しようとする動きになっている。国政選挙での惨敗続きで、自分たちが解散権を行使する側に回ることを想定できないのだろう。