自分が何型か知るための検査キットがある
「顔に出ないから強いと思っていたら実は低活性型だった」「失活型と知らずに飲んで気分が悪くなった」ということがないよう、自分の遺伝子型を知っておきましょう。
ALDH2の活性だけでなく他の病気の罹患リスクなどを知るためにも有効です。調べ方としては、1つには、市販の「アルコール感受性遺伝子検査キット」を使用する方法があります。
口腔粘膜を付属の綿棒を使って自分で採取し、検体を検査機関に郵送すると、数週間後に結果が郵送されてきます。この検査では、自分のアルコール耐性がわかるだけでなく、病気のリスク、体質特性などを知ることができます。金額は5千円~1万5千円といったところです。
もっと安価に調べたいなら、「アルコールパッチテスト」という方法があります。
市販の消毒用アルコールを脱脂綿に含ませ、上腕部の内側に7分間テープなどで固定、はがした直後と10分後に、脱脂綿を当てていた箇所の肌の色を観察します。肌の色が変化しないのがALDH2活性型、10分後に肌が赤く変化するのが低活性型、脱脂綿をはがした直後から赤くなるのが失活型です。ただ、まれに失活型でも赤くならない人がいるので、正確に調べたいなら遺伝子検査がよいでしょう。
一生健康でお酒を飲むために、ぜひ「操酒」を
自分のタイプを知っておくことで、無理な飲み方をしなくなりますし、病気のリスクを知っていればそれを回避しながらお酒を飲んだり、日々の食事や生活習慣にも気をつけたりするようになります。長くお酒と付き合うためにも、ぜひ調べておくことをおすすめします。
そうした知識を踏まえたうえで、ぜひ「操酒」を実践してみてください。「操酒」とは私が考えた造語で、酒量をセルフコントロールするためのメソッドのことです。
基本的に減酒や禁酒は病気のリスクを回避するために行うもので、大概が医師や家族から注意を受け行うため、モチベーションを保つことが難しく挫折しがちです。一方、「操酒」は“一生健康でお酒を飲む!”という思いをベースに、現況の酒量を可視化した後、自分の意志で酒量をコントロールします。誰かから指示をされて酒量を減らすのではなく、自身で気づき、自らの意志で行動を変えていくので、長続きします。
私自身、「操酒」によって酒量を大幅に減らすことができ、体重は8キロ減、200近くあった中性脂肪は83まで下がりました。「操酒」の最終目標は、休肝日をとりながらメリハリをつけてお酒を楽しめるようになること。「断酒」や「減酒」とは似て非なるものが、「操酒」なのです。