魅力的な中高年になるにはどうすればいいか。還暦を迎えたプロレスラーの蝶野正洋さんは「老後に朝マックや図書館以外に居場所がないと、人との会話が減り老いるスピードは加速する。俺の人生の指針である『とにかくカッコいい年のとり方をする』ためにたどり着いたのが社会貢献活動だった」という――。

※本稿は、蝶野正洋『「肩書がなくなった自分」をどう生きるか』(春陽堂書店)の一部を再編集したものです。

本棚から本を取る手
写真=iStock.com/rai
※写真はイメージです

カッコいい年のとり方をするためのベストチョイス

俺が最後に試合をしたのは2014年4月。その後もイベントやトークショーなどではリングに上がっているが、リングで闘う“プロレスラー蝶野正洋”を知っているのはギリギリ40代半ばくらいまでじゃないか。

20代、30代の人たちは俺を知っていたとしても、大みそかに放送されていたテレビ番組『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ系)の「笑ってはいけないシリーズ」の“ビンタおじさん”だよね。

そのビンタにしろ、最近ではテレビの放送倫理上の問題で披露するのが難しくなっている。まあ、そもそもビンタが得意技でも何でもない俺にとってはそれでよかったというか。嫌がる相手を押さえつけて罰を与えるなんて、俺は全然楽しくないんだよ(笑)。

そうやって自分の肩書を一つ一つ手放しながら、還暦以降の人生をどう生きていくか?

俺の中ではとっくに答えは出ている。

とにかくカッコいい年のとり方をする。それだけだ。

だとしたら、やっぱり金を持っていないとカッコ悪いよな。ある程度金を持ったうえで余裕をもって社会貢献活動をする。それが俺の理想だけど、もし金がなくても社会貢献くらいはちゃんと続けていけるような人間でありたい。

これを読んでいる人の中には「人生後半戦に人助けに関わるのもいいな」と思っているかもしれないので、参考として俺自身が社会貢献活動を始めた経緯を書き添えておきたい。

もし興味がない人は、この先興味が出たときにこの部分を読んだらいい。