「寝てる間は、何も考えなくてすむんです。起きるとがっかり。どうしよう、どこに行ったことにしよう、と……」

後藤善郎さん(仮名、27歳)の言葉と表情には、生真面目さと自虐が交互に現れる。

後藤善郎(仮名)●27歳、独身。準大手電機メーカーの営業担当。入社4年目。趣味はスポーツ観戦。「トップ営業ほどプールやスーパー銭湯なんかでよくサボッてるって聞きますけど……」無論、自分の昼寝とは別物だと百も承知だ。
後藤善郎(仮名)●27歳、独身。準大手電機メーカーの営業担当。入社4年目。趣味はスポーツ観戦。「トップ営業ほどプールやスーパー銭湯なんかでよくサボッてるって聞きますけど……」無論、自分の昼寝とは別物だと百も承知だ。

準大手電機メーカーに入社して4年。北関東の営業所に朝8時出勤。自社のロゴ入りのライトバンで、近隣地区の中小企業や商店街を1日十数件回る。夜、オフィスを出る頃には、時計は10時を回る。実家には寝に帰るだけだ。

「昨年10月から、ほんとに不況感が出てきました。週休3日、4日とか、稼働が半日だけだったり、足繁く通っていた工場が急に『従業員の給料を下げなきゃ』と言いだしたり……」

年初も動き出しは遅く、成人式までまったく動く気配のなかった訪問先もあった。

「もともと苦戦している地域。これまで私が属した営業所は、どこも業績が芳しくなかった。でも、ノルマは他地域の営業所と変わらない」

という後藤さん、ご自身の手腕をどう評価しているのか。

「昨年は、社内的には“中の上”でしたが、今年に限れば“下”」“上”の営業マンもいるわけだ。

「言い訳は嫌ですけど、“上”の人は担当しているエリアがいいですね。“中”の人は、努力している人。他人よりたくさん件数を回ったり……今も昨年から数字を落としてない人もいます」

現在、年収は300万円程度。