詳細は省きますが、2010年以降、「過払金返還」という業界全体の重しとなっていた業績悪化局面においては、この問題の影響低下を見据えて投資したこともあります。これは一定のパフォーマンスを上げることができました。

規格変更によって生じるサイクル

5Gなど通信システム

他にも、規格変更によって生じるサイクルも考えられます。

たとえば通信関係の設備投資サイクルがそうです。3G、4G、5Gと来て、これからは6Gの時代が来るでしょう。このように通信システムの世代交代が行われると、それに伴って新たな設備投資が必要になります。

今後の展開はまだ見えていない部分もありますが、これまで10年ごとに世代交代が進んできたことからすれば、2030年代は6Gの時代が来ると考えられますし、光通信、光半導体の世界観では、宇宙・衛星通信なども含めて、現時点では想像できないようなサービスが普及し、関連企業の大躍進が実現しているのではないかと「妄想」しています。

30、40年の長期チャートを活用する

自分自身で投資したい企業が見つかったら、まずはその企業の株価の長期チャートをチェックしてみて下さい。

過去30年、40年のチャートを見て、まずはその高値と安値を抽出し、それぞれの局面でどのような出来事があったのかをプロットしていきます。

中山大輔『日本株で30年 好成績を上げたファンドマネジャーが明かす 逆転の思考法』(PHP研究所)
中山大輔『日本株で30年 好成績を上げたファンドマネジャーが明かす 逆転の思考法』(PHP研究所)

たとえば半導体製造装置で世界的なシェアを持つ東京エレクトロンの過去40年くらいの株価チャートを見て、まさに今、高値をつけにいっているとしたら、過去、東京エレクトロンの株価が高値をつけた時の経済情勢が、今とどこが類似しているのか、あるいは東京エレクトロンと同じように株価が大きく上昇した企業はどこなのか、逆に悪かった企業はどこなのか、といったことを調べていくのです。

このように長期の株価の推移とともに、高値を付けたところ、安値をつけたところのそれぞれで、何が起きたのかを把握しておくと、前回と同じような動きをした時に、何が似ているのか、どこが違っているのかがイメージでき、マーケットの行方を判断するうえでの参考材料になります。

成功の秘訣は、転換点に気づき、アクションを起こすこと

全く同じ動きにはならないにしても、参考材料が多ければ、転換した、あるいは転換しつつあるマーケット状況に気が付くことができるでしょう。事前にいろいろと考えを巡らし準備できていれば、転換点の早めの時点でアクションを起こせる幸運に恵まれるかもしれません。

「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」「歴史は繰り返さないが、韻を踏む」などの言葉が想起されるところでしょう。

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