企業運営の基本的なルールを定める会社法の改正作業が進められている。大王製紙、オリンパスの事件を受けて、会社統治の法的規制が強化されようとしているが、憂慮される点が2つあると筆者は説く。

会社法の改正作業が進められている。今回の改正の狙いと内容は、法務省のホームページの「会社法制の見直しに関する要綱案」に示されている。この改正がよりよい企業経営をもたらすかどうかという視点から要綱案を検討しよう。それを通じて、バブル崩壊以降行われてきた一連の会社法改革の問題点を理解していただけるだろう。

不祥事が起こるたびに会社統治の法的規制が強化されてきた。不祥事を起こすような企業は例外的存在である。このような例外的企業でも不祥事が起こらないようにするための規制はかなり強いものになりがちである。そのような強い規制を普通の企業に適用してしまうと、企業の経営を萎縮させてしまう危険がある。重篤な患者に処方する薬を普通の患者に処方するのと同じような問題が引き起こされる。今回も、大王製紙、オリンパスの事件を受けて、会社法が改正され、規制が強化されようとしている、私は、今回の改正によって、元気をなくしている日本企業がさらに元気をなくしてしまうのではないかと危惧している。