「逮捕されるのは、かなり悪質なケース。何度も削除されたのにしつこくアップを続けたり、コンテンツの発売以前に内容を公開していれば、著作権者は黙っていないし、警察も動かざるをえなくなります」
もう1つ、気になるのは視聴する側の違法性だ。じつは10月1日から改正著作権法が施行された。違法にアップロードされた著作物と知りながらダウンロードすることは、従来から違法とされてきた。しかし、これまでは罰則がないため事実上、野放しに。そこで法改正して、違法ダウンロードに2年以下の懲役または200万円以下の罰金を科すことになったのだ。
YouTubeはストリーミングなので、そもそも違法ダウンロードにあたらないという意見もある。ただ、ストリーミングは「プログレッシブダウンロード」とも呼ばれ、視聴する動画はパソコン内の一時フォルダに保存される。厳密にいえば、ダウンロードといえなくもない。
「ストリーミングはダウンロードにあたらないという見解が主流で、文化庁は問題ないと言っていますが、学者や弁護士の中ではダウンロードにあたるという見解もあります。私自身は、ダウンロードにあたらないのではないかと考えております」
YouTubeへの違法アップロードさえ逮捕例が少ない現状では、視聴によって逮捕されるリスクは低いだろう。ただ、著作権侵害が横行する状態が続けば、見せしめ的に逮捕が行われる可能性もある。そのような状況を招かないように、ユーザーには著作権への高い意識を持ってもらいたいものだ。