「つながり」は血縁や友人だけではない
奈良県橿原市にある「げんきカレー」という店では、お客が自分の会計に200円をプラスすると1枚チケットが発行されます。そのチケットを壁に貼ると、地域の子どもたちがそのチケットを利用してカレーを無料で食べることができるというシステムになっています。
血縁関係のある子や見知った誰か特定の子にカレーをごちそうするというだけではなく、自分の行動がどこかの見知らぬ子どもの笑顔を作れるかもしれないという喜びがそこにはあります。行動する良いきっかけにもなります。チケットを利用する子どもたちも、誰かの温もりを具体的に感じて感謝できるでしょう。
リアルに顔を見合わせて助け合うことだけが「人のつながり」ではありません。自分のしたことが巡り巡って誰かのためになるという、これは、今後所属だけではない人のつながりを作るという意味で、私の提唱する「接続するコミュニティ」のひとつの形でもあります。こうしたささいなお膳立てひとつでも、今後増え続ける身寄りのない高齢ソロの「生きる力」となるのかもしれません。