病気対策の「療法食」には注意

「病気対策の食事で病気になってしまうことがある」と言ったら驚かれるでしょうか。

病気対策で、「療法食」というものがあります。

獣医がペットの疾病の治療などを行う際に、栄養学的なサポートが必要な場合があります。

療法食とは、「治療の内容に合わせて、フード中の栄養成分の量や比率が調節され、治療を補助する目的で提供されるペットフード」のことです。

療法食には「必ず獣医師の指導のもとで与えてください」などといった注意書きが記載されています。

“治療の補助”なので、一時的なものと考えることができます。

栄養が偏る危険性

ところが飼い主さんは「ずっと食べなければいけないもの」と思っている人が多いのです。

そういう私も、実はずっと食べるもの、食べなければいけないものだと思っていました。

療法食は、あくまでも治療の補助なので、その開始、継続、変更は獣医によって判断されます。

「ずっとこれを食べ続けなくてはいけない」とは、だれも言っていません。

でも、この認識を持っているのは一部の獣医師だけです。

療法食は、総合栄養食とは違います。各メーカーが、それぞれに研究を重ね、これなら犬の栄養要求量を満たしているとしたものです。

長谷川拓哉『愛犬の健康寿命がのびる本 うちの子がずっと元気に暮らす方法』(青春出版社)
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つまり、よく見る「AAFCO(アフコ)」、「FEDIAF(フェディアフ)」といった、ペットフードの栄養基準を満たしているわけではないのです。

療法食が病気に特化しているのはいいと思いますが、栄養が偏る可能性があるということを知っておきましょう。

療法食を食べ続けると、予期せぬ影響が出る可能性もゼロではありません。

病気を治すには、いろいろと臨機応変に変えていかなければいけないのです。

もし何か疾患があり、療法食をすすめられたら、獣医に療法食のメリットやデメリットを聞き、食材や栄養素の観点でどんなものを食べさせたらいいのか聞きましょう。

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