【STEP3】前四半期比(QonQ)での推移を確認する
第1四半期(1Q、四半期はクオーターと英訳されるので、以下Qと表記)決算であればシンプルに期の初め3カ月間の成績ですが、2Q以降の決算は3カ月ではなく期初からの累計で発表されます。つまり、2Qであれば6カ月、3Qであれば9カ月、本決算である4Qは1年間の成績になります。
このため、四半期が進むほどに直近3カ月単体での成績がわかりにくくなります。たとえば3Q決算が前年の3Q決算と比べて大きく伸びていたとしても、それは2Qまでの伸びが大きくて、直近の3カ月では減速している可能性もあります。いくら3Qまでの累計の数字が良くても、QonQで鈍化しているようなら好業績が継続しそうだとは思えません。
こうした点を確認するためには、最新の決算の数字から前の決算の数字を引き算して、期初からの累計ではなく直近の3カ月の成績を確認する必要があります。これが地味に面倒なのですが、マネックス証券が提供している分析ツール「銘柄スカウター」なら、その数字が一発で確認できます。
この作業で、直近の四半期の売上高の棒グラフが頭一つ抜き出てきたり、営業利益の折れ線グラフが急角度で上昇しているような勢いづいた様子があるかどうかを確認しましょう。
ビッグチェンジが今後も継続するかも確認しよう
決算短信に記載されているコメントはごく簡単なものが多いので、同時に公表される決算説明資料や有価証券報告書、四半期報告書などに目を通します。特に決算説明資料はグラフなどを多用したわかりやすいプレゼンテーション資料になっていることが多いので、状況の把握に役立ちます。高い水準の増収増益が継続できると思える背景はあるか、あるいは一時的な伸びでしかないかを確認しましょう。
加えて、その銘柄が持つ季節の偏重性を確認し、その四半期の好決算が単なる季節要因によるものでなかったかを確認する必要があります。売上や利益が年間を通してほぼ均等に計上される企業もあれば、特定の月に集中するような企業もあるので、こうした傾向を確認して本当にその好決算がビッグチェンジであるかを確認する必要があります。季節性を確認するには、決算説明資料や有価証券報告書を「季節性」「偏重」というワードで検索して、特にひっかかってこないようなら大きな問題はないと判断してよいでしょう。