災害報道は何を優先し、どうするべきなのか
もちろん、テレビの役割は、生々しい映像によって、被害の実情を伝えるところにもある。
いままさに災害が起きつつある場所の状況は、現地にとどまらず、全国や全世界に届く。インパクトを持った映像は、多くの支援へとつながるし、政府を動かす。
だからといって、自分たちは「安全な場所から中継しています」と優等生を決め込み、身を守ってもらうべき視聴者からの映像を乱用して良いわけではない。
100年前の日本には、ネットは言うまでもなく、テレビどころかラジオも放送されていなかった。
見る側が被害を投稿する未来があるとは、誰も思っていなかったかもしれない。
私ごとながら、関東大震災の半年前に東京・日本橋で生まれ被災した祖母は、8年前に亡くなるまで繰り返し、その地獄絵図を語ってくれた。
実感を伴う震災の記憶は遠くなったとはいえ、それゆえに、あらためて災害報道が何を優先し、どうするべきなのか、誰かを叩くためではなく、フラットに考えなければならない。
きょう、9月1日は、そのためにこそ忘れてはならない日なのである。
(*1)NHK「スクープBOX」
(*2)テレビ朝日「みんながカメラマン」
(*3)「TBSスクープ投稿」
(*4)「FNNビデオPost」
(*5)『イントゥ・ザ・ストーム』
(*6)「台風7号直撃で関西の鉄道がまひ 「JRの計画運休は旧国鉄時代の名残か。責務も自覚を」辛坊治郎が注文」ニッポン放送 NEWS ONLINE 編集部、2023年8月15日
(*7)「辛坊治郎氏『簡単に止めすぎ」JR計画運休への私見に『無責任男』集まる批判『遭難で救助された人が言っても』」Smart Flash、2023年8月16日