返信が24時間以内に来なかったら黄色信号

手紙から電話へ、電話からメールへ、メールからチャットへ。コミュニケーションツールはどんどん進化しています。それと同時に、コミュニケーションのスピードもどんどん速くなっています。

私が外資系企業のトップだったときには、常に部下にこのように話していました。

「社内外問わず、欧米人からのメールの返信が24時間以内に来なかったら黄色信号だ。あなたが送ったメールの内容がおかしいのか、もしくは都合の悪いことがあって返信を引き延ばそうとしているかのどちらかである」

これは今や、日本でも通用することではないでしょうか。

24時間以内に相手からリアクションがなければ黄色信号として、すぐに電話をかけるべきでしょう。電話で話して「何かがおかしいぞ」と感じたのであれば、すぐにFace to Faceのコミュニケーションに移行し、相手の真意を確認する。それくらいのスピード感で動いてほしいのです。

受け手の立場でも同じです。メールであれチャットであれ、最初の返信はどんなに遅くても24時間以内に行いましょう。もう少し時間が必要なのであれば、「明日の朝10時までに確認して返信いたします」などと返すこと。そうでないと、相手のことをヤキモキさせてしまいます。

パソコンの上に置かれたメールのアイコンが描かれたブロック
写真=iStock.com/BrianAJackson
※写真はイメージです

メールでわかりやすい文章を書く5つのコツ

スピード感のあるやり取りを行ううえで必要なのは、簡潔に文章を書くこと。メッセージの意味を把握するまでに時間がかかる文章を書いているようでは、一人前の社会人とはいえません。

メールやチャットにおいて、わかりやすい文章を書くコツは5つです。

(1)盛り込む情報は最小限にし、とにかく短くまとめること
(2)最も伝えたいポイントを冒頭に置くこと
(3)主語、結論、理由の3点を明記すること
(4)改行や空行を追加し、パッと見てわかりやすいレイアウトにすること
(5)送信する前に誤字や脱字がないか確認すること

要するに、相手の立場に立って文章を組み立てることが大切なのです。文章を書くときに限らず、相手を思いやり、相手の負担を減らそうとする努力ができる人が、ビジネスの世界では成功します。上司や顧客、取引先が相手のときのみならず、部下に対するメッセージでも同様に、相手への思いやりを忘れないようにしてください。