健康的な食生活を送るにはどうすればいいか。浜松医科大学名誉教授の高田明和さんは「『食べる』という行為は、孤独感を解消する効果がある。いい腸内細菌を育てるために『正しい食べ物』を選ぶことが最も大切だ。オックスフォード大学の研究では、オリゴ糖がストレスを軽減し、不安を減らした。その程度は抗うつ剤と同じ程度だった」という――。
※本稿は、高田明和『65歳からの孤独を楽しむ練習 いつもハツラツな人』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
なぜ、淋しい人は太るのか
淋しさを解消するのに、最も手っ取り早くて簡単な科学的根拠のある方法は、なんだと思いますか? 皆さんの中にも、知らず知らずのうちにこれをやっている人は、多くいるでしょう。
答えは、「テレビを観ながら、ポテトチップスなどを食べること」です。
スナック菓子などに含まれる糖分や、あごをリズミカルに動かす咀嚼運動は、脳に快感を作りだします。さらには、食べ物を口に運ぶとか、番組を観るという行動には、「自分にはやることがある」という意識を生みだします。
アルコールに溺れるのも同じような理屈が働くからであり、本当に空腹だから「食べたい」とか「飲みたい」というわけではありません。
要は、もてあましている暇な時間を、「自分にはやることがある」「食べ物を咀嚼して栄養素をとっている」といった満足感で満たしたいがために、そうした行為を繰り返してしまうのです。そして最終的には、「太る」「アルコール中毒になる」など、残念なことになりがちです。
私たちが高齢になって孤独感に悩まされるのも、「時間をもてあますようになること」が大きな原因としてあります。