孤独感を抱くのはなぜか。浜松医科大学名誉教授の高田明和さんは「淋しく感じるのは、『孤独』という環境ではなく、『孤独感』が問題である。家族がいて環境的には孤独ではないけれど、感情的には孤独感に苦しんでいる人は少なくない。不要な孤独感に悩まないためには、未来のことを考え、腸内環境のバランスを整えることだ」という――。
※本稿は、高田明和『65歳からの孤独を楽しむ練習 いつもハツラツな人』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
本当に孤独は恐ろしい問題なのか
年を取るごとに、人はだんだん「孤独」を恐れるようになります。
会社を定年退職し、日常の人間関係から孤立してしまった。友人も地元を離れたりして、次々といなくなる。たとえ結婚していても家族がいても、子供たちは自立し、やがては伴侶にも先立たれるかもしれない……。
メディアも孤独死が社会問題化! などと深刻な現象として危機感をあおりますから、不安になるのは当然です。
でも、本当に孤独は、それほど恐ろしい問題なのでしょうか?
「幽霊の 正体見たり 枯れ尾花」ということわざがあります。
幽霊だと思って怖れていたものをよくよく見たら、ただの枯れたススキだったという意味です。
ススキだとわかったなら、怖くはありませんね。それにススキなら、刈り取ってしまえばもう驚かずにすみます。
皆さんが恐れる孤独というものの正体も、もしかしたら、こんなふうに「なぁ~んだ」というようなものであり、その正体がわかれば、あっさり対処できるかもしれません。