「デジタル通貨での給与支払い」の動きも

最近では、厚生労働省がデジタル通貨での給与支払いをするための資金移動業者の審査受付が2023年4月1日より開始されました。デジタル通貨での給与支払いが行われるための準備が開始されたことで、大企業を中心として導入の検討が始まっています。

これは会社が支払う給与を、銀行口座を介さずに直接労働者にデジタル通貨で支払う方法です。

デジタル通貨はPayPay、LINE payなど。キャッシュレス決済サービスと接続されたプールのような場所に支払われ、労働者は厚生労働大臣の指定をうけた資金移動業者のなかから好きなキャッシュレス決済サービスの会社を選び、給与を受け取ることができます。

経済産業省の調査によると、2021年のキャッシュレス決済比率は32.5%に達する反面、デジタル通貨(電子マネー・コード決済)比率は3.8%にとどまっています(※1)

※1 経済産業省「2021年のキャッシュレス決済比率」をもとに算出。

今後、新たな給与支払いの方法が普及すれば、会社指定の銀行で一律に給与を受け取るのは時代に合わなくなりそうです。従業員満足度の観点からも、疑問があるときは声をあげてみてください。

「仕事上の接待」実は残業代を請求できる

飲食を伴う「ビジネス会食」や休日の「接待ゴルフ」など、接待にはさまざまな形があります。自分の意思で行うこともあれば、上司に連れていかれることもあるでしょう。

接待の場で契約獲得の根回しをしたり、参加したかどうかによって担当案件の数や質が変わるようなことがあれば、事実上の営業の場ともいえます。

「仕事上の接待」でも残業代は請求できる(※写真はイメージです)
写真=iStock.com/vadimguzhva
「仕事上の接待」でも残業代は請求できる(※写真はイメージです)

接待と残業との関連でいえば、次の項目に当てはまるか否かが重要です。

① 自由意思で行くか行かないかが選択できない。
② 商談など、接待の場で仕事に強く関連する話し合いがある。

①②がともに当てはまる場合、その接待は仕事の一部とみなされる可能性が高くなります。