対談テーマ2
育児の知識が広がればもっと育てやすくなる
【高橋】子育てを始めて「育児についてこんなにも無知だったのか」と感じることは多いかな。「眠れないことがこんなにもつらいなんて」とか「子どもがしょっちゅう熱を出して保育園に呼び出されることがこんなにもストレスなのか」とか。イヤイヤ期がなぜあるのかもあらかじめ知っていたらよかったなって思う。子育てについて学ぶ機会がないよね。
【福田】イヤイヤ期がある理由、気になる!
【高橋】ヒトの脳は、欲求をつかさどる部分から発達が進み、理性をつかさどる部分の発達はその後。理性的な部分がまだ育っていないから、欲求をコントロールすることができない状態なのがイヤイヤ期だよ。
【福田】なるほど! あらかじめ知っていたら、準備や覚悟ができていいかもしれないね。確かにそう考えると、知らなかったことってたくさんある。振り返ってみると、妊娠中から知らないことが多かった。
つわりだってドラマで描かれているようなイメージしかなくて、トイレに駆け込んで「もしかして妊娠?」って気づく、あの1回だけだと思っていて。私の場合は妊娠初期から毎日吐き続けて、ずっと二日酔い状態。妊娠初期こそサポートが必要だな、と痛感したよ。
会社に妊娠を報告するのは安定期に入ってからが主流だけど、つわりがひどいのは妊娠初期が多いから、妊娠がわかったタイミングで会社にも報告して、必要な配慮や支援が受けられるようになればいいのにと思う。
【高橋】初期流産を心配して言わない人が多いけれど、流産って15%くらいの確率で起こるものなのに、意外と知られていないよね。社会全体にそうした知識があれば、妊娠初期からでも報告しやすくなると思う。
【福田】私は、妊活も公言していたし、妊娠初期から社員にも報告していたよ。社員も「妊活しています」「子どもを望んでいます」ということをオープンに話してくれるので、経営者としてはありがたい。産休・育休の可能性を見越して計画を立てることもできるし、妊娠がわかったら時間をかけてチーム内での仕事の調整もできる。不安なく産休・育休を取得し、復帰できる世の中になるといいと思ってる。
【高橋】すばらしい! 妊活をオープンにできるのも、社員に妊娠・出産への知識がしっかりあるからだよね。「妊活したら全員がすぐに妊娠できる」と誤解している人が多いと、「まだできないの?」などの発言で傷つくケースもある。男女問わず、社会全体としても、妊娠・出産・育児の知識がもっと浸透していくといいよね。